こんにちは、高校生バックパッカーのぴーです。
ベトナム・ホーチミンを旅して、市場やローカルグルメを楽しんでいた僕ですが、
ひとつだけ「観光」という言葉では片づけられない場所がありました。
それが――**「戦争証跡博物館(War Remnants Museum)」**です。
正直に言うと、「楽しかった」とは言えません。
でもこの場所での体験は、旅の中でいちばん心に深く残り、
**「人生で一度は訪れるべき場所」**だと感じました。
この記事では、高校生の僕がそこで感じた衝撃や、展示内容、
そして訪れる前に知っておきたいポイントをわかりやすく紹介します。

「戦争証跡博物館」とは?
ベトナム戦争の現実を後世に伝える場所
この博物館は、**ベトナム戦争(1955〜1975年)**で起きた悲劇を、世界中の人々に伝えるために設立されました。
ベトナム戦争の背景:冷戦下の代理戦争
ベトナム戦争は、冷戦時代に起きた**「東西の代理戦争」**とも言われています。
北ベトナム:ソ連や中国の支援(共産主義陣営) 南ベトナム:アメリカの支援(資本主義陣営)
アメリカは「ベトナムが共産化すれば、周辺国も次々に共産化する」と考え(=ドミノ理論)、
大規模な空爆や、**化学兵器「枯葉剤(Agent Orange)」**を使用しました。
その結果、兵士だけでなく、一般市民までが被害を受け、
戦後も枯葉剤の後遺症に苦しむ人々が生まれ続けました。
1975年、北ベトナムの勝利で戦争は終結。
ベトナムはひとつの国として再出発します。
この博物館は、アメリカの行為を非難するだけでなく、
**「戦争の残酷さと平和の尊さ」**を世界に訴えるための場所でもあります。

館内レポート:高校生が受けた衝撃
中に入ると、空気が一気に変わります。
教科書で見たことのある写真や兵器が、すぐ目の前に現実として立ちはだかる。
まるで「戦争」という言葉が、生きているように感じました。
1. 屋外展示:戦闘機と戦車が並ぶ圧巻の光景
入口前の広場には、アメリカ軍が使っていた戦闘機やヘリ、戦車、爆弾などが並んでいます。
迫力があって「すごい!」と思う反面、
これらが実際に人の命を奪った兵器だと思うと、
なんとも言えない気持ちになります。

2. 館内展示:息をのむリアルな証拠
中に入ると、より生々しい展示が続きます。
銃や手榴弾、爆弾の実物 捕虜を閉じ込めた拷問部屋の再現 戦場で撮影された、現実の写真
写真のひとつひとつが、強い衝撃を与えます。
特に、民間人が巻き込まれた写真は目をそらしたくなるほど…。
でも、目をそらしたらいけないと思いました。
3. 枯葉剤の展示:言葉を失う現実
僕が一番衝撃を受けたのは、「枯葉剤(Agent Orange)」の展示でした。
この化学兵器によって、森は枯れ、人々は病に苦しみ、
今もなお、後遺症を抱えて生まれる子どもたちがいます。
写真に映るのは、障害を持ちながら生きる子どもたち、
家族の痛み、そしてそれでも前を向こうとする姿。
見ていて本当に苦しかったけれど、
**「この現実を知るために来たんだ」**と自分に言い聞かせました。
滞在時間と見学のコツ
僕は1時間半ほどかけて、すべての展示をじっくり見ました。
説明文を読みながら回ると、2時間くらいは見ておくと安心です。
内容が重いので、途中で休憩を挟むのがおすすめ。
出口近くに小さなカフェスペースもあります。
高校生として感じたこと:戦争は「遠い過去」じゃない
日本も戦争を経験した国。
でも、ベトナムの展示を見て思ったのは、
**「戦争の悲劇は、どこの国でも、今でも起こり得る」**ということでした。
展示の中には、日本が関係した部分もあり、
「これは遠い国の話じゃない」と感じました。
僕たち高校生には、戦争を止める力はないかもしれない。
でも、「知ること」や「伝えること」はできる。
それが、犠牲になった人への供養であり、
平和を守るための小さな一歩なんだと思いました。
訪問情報まとめ
📍 場所
ホーチミン市中心部(統一会堂や聖母マリア教会から徒歩圏)
🚕 アクセス
ベンタイン市場から徒歩約20分/Grabで約5〜10分
💵 入場料
約40,000ドン(約250円)
🕒 開館時間
7:30〜17:00(年中無休)
👕 服装
カジュアルでOKだが、露出は控えめが◎
⚠️ 注意
内容が重いため、体調が悪い時は避けた方がいい

まとめ:ホーチミンを訪れるなら、「学びの旅」もしてほしい
戦争証跡博物館は、
「観光スポット」というよりも、
**「人類が学ぶための場所」**です。
枯葉剤の展示は直視するのがつらいけれど、
そこにこそ、訪れる意味があります。
✅ 所要時間:1.5〜2時間
✅ アクセス:中心地からすぐ
✅ 内容:心に深く残る「学びの時間」
ホーチミンにはグルメも観光地もたくさんあります。
でも、もしあなたが“本当の旅”をしたいなら、
この博物館を訪れてほしい。
きっと、帰り道で「平和」という言葉の重みが変わるはずです。
